「創業以来培った基盤を発展させ、適切なソリューション提供へ」 – 執行役員のふたりに話を聞いてみた-

皆さまこんにちは。

ルート・シーでは今期(2021年8月~)に大きな体制変更が行われ、プロジェクト主体のチームと、職能グループが同居するマトリックス型組織※の形を採っています。
今回は執行役員のおふたりに今の想いや組織に対する見立て、今後の展望を聴きました。

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お話を聞いた人

氏名
矢澤 明夫
役職
執行役員、COO
ルート・シーでの仕事の変遷
ルート・シー東京オフィスの立ち上げ(2人目)メンバーとして2009年に入社。一時は大手光学機器メーカー様に常駐するなど、お客さまの信頼を獲得し、東京オフィスの拡大に尽力。東京webソリューション事業部長を務めた後、CMOを経て東京大阪オフィスの統合により2022年にCOOに就任。
氏名
荒木 洋祐
役職
執行役員、CAO
ルート・シーでの来歴
ルート・シー初の事務系の正社員として2009年に入社。ISO規格の管理運用経験があったため、ISMS取得後の運用対応を見込んで採用され、以来ルート・シーのバックオフィス全般(総務人事、経理、セキュリティ管理)を支える。2020年より執行役員、2021年CAO就任。

それぞれのキャリア、ルート・シーに至るまで

矢澤さん、荒木さん、今日はお時間をいただきありがとうございます。
今日はおふたりにこれまでのキャリアや、今の想いや組織に対する見立て、今後の展望などお伺いしたいと思います。
よろしくお願いいたします。

では早速、おふたりのこれまでのキャリアについてお伺いしますね。 ルート・シーに入社するまでに、それぞれどのようなキャリアを築いて来られましたか?

矢澤前職では広告制作会社でHR系広告のディレクターをしていました。企画・コピーライティング、ディレクションに加えて、業務委託のパートナーを含めた30人くらい、2チームの管理も兼務していたので「課長代理」なんて呼ばれていましたね。6年9ヶ月勤めました。

新卒(前々職)でwebデザイナーをしていたので、webの仕事に戻りたかったんですよね。仕事を探していた中で返事が早かったルート・シーに決めたのが入社のきっかけです。その時は東京オフィス立ち上げから間もなくて、私が東京オフィスで2人目のメンバーでした。複数名をマネジメントしていた立場から、2人オフィスの下っ端になったので、2年くらいは「いつ辞めようか」と思っていたくらい。(笑)

その後、入社2年目に6ヶ月ほど大手光学機器メーカーにディレクターとして常駐しました。そこでお客さまとの関係が築け、発注を継続的にいただくことができました。とはいえディレクターが私ひとり。ほかアシスタントしかいない状態で2年くらいやっていましたね。その辺りから徐々にお客さまもスタッフも増え、東京オフィスの規模が拡大していきました。
また2016年頃に設置された経営戦略室のメンバーとして招集され、東京オフィスだけでなく全社経営に関わるようになりました。

ありがとうございます。「いつ辞めようか」って2年間も思われてたんですね…!(笑)知らなかった。
荒木さんはどのようなキャリアを歩まれてきましたか?

荒木私は大学院卒業後、上場証券会社のグループ会社に入り営業を1年、その後人事をやっていました。新卒で入社した会社は5年勤め、その後総合医薬品メーカー系で医療機器や分析機器を作る会社の人事をしていました。その後なので、ルート・シーに入ったのは2009年ですね。
今は法務やセキュリティ関係も管理していて、バックオフィスすべてが責任範囲です。さらに今期からは事業にも直接関わるようになっていて、webサイト運用を担うチームのマネージャーも兼務しています。

泥臭い「運営」「対応力」を基盤に新たな価値提供へ

ありがとうございます。では早速次の質問に行きましょうか。
ルート・シーは今期25期を迎えました。webの黎明期からずっとこのビジネスを続けてきていることになりますが、20年以上事業が続いている要因はどんなところにあると思われますか?

矢澤やはり要因は対応力だと思いますね。泥臭いから会社のみんなは肯定したくないかもしれないけど、対応力に立脚した製造・運用が強みだったのは事実だと思います。

なるほど。その往年の強みは今どのように変化をしてきているのでしょうか?

矢澤これまでの強みである対応力に加えて、今はソリューションやクリエイティブの価値が加わってきています。元々の強みに付加価値を付ける動きができていますね。
あとは以前よりもミドルマネージャーが成長してきている実感がある。ボトムアップする風土もできている実感があります。

経営面でこの変化を見ると、泥臭い「運営」が基盤にあって、お客さまへの毎月の対応・運用が安定した収入源になってきたと言えます。この「運営」が組織化するようになってきて、個人商店ではなくなってきました。私が入社してからの14年での大きな変化はやはり組織化ですね。急成長ではないけど着実に組織化してきました。

確認ですが、「個人商店」というのはオーナー企業からの脱却という経営の話でしょうか。それとも標準化などの事業のあり方でしょうか。

矢澤事業ですね。個人個人が好きなように自分のやり方で業務をしていた過去があったからです。

組織化が進んだという話は、前回のジョブマネージャーのおふたりへのインタビュー※でもお伺いしました。矢澤さんや荒木さんは組織化の立役者だと思いますが、どんな想いが根底にあったのでしょうか。

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「価値観をすり合わせ、個人の働きかけをもっと活かせる会社に」 – 新ジョブグループマネージャーのふたりに話を聞いてみた-

矢澤「個人商店では会社は終わる」という気持ちがあったんです。
納品時品質を上げるといった現場のボトムアップ、ケイパビリティ(能力)を上げるといったトップアップがそれぞれ必要だと思っていました。
当時作っていたものでは、新たにお付き合いが始まりつつあったお客さまの求めるレベルに応えられないと思ったのです。創業者のお品書きだけでは続けられない、ローコストオペレーション一辺倒でこのまま続けるのは無理だと思ったのです。

荒木そうですね、このままではやっていけないという感覚があって、組織を変える必要がありました。私達だけで完結するなら泥臭い想いでもやっていけるが、発展させる・お客さまにもっといいものを出す、お客さまにこれまでと違うものを提供していくことを考えると組織が必要となります。組織を作るためには会社を整えていく必要があったのです。そういう考えで個人商店ではなくしようとしてきました。

組織化が進む中で見えてきた伸びしろなどはありますか?

荒木ローコストオペレーションを努力ではなく、もっと洗練させたうえで先鋭化するというのもひとつだと思っています。自分達のやっていることをもっと組織化し、無駄を省き改善をすることでお客さまにソリューション提供ができるはずだと。

webやマーケティングでお客さまのビジネスにどう寄与できるのかもまだまだ考えられるし、提案ができるはずだと思っています。これまでは「web屋」で「ホームページ作るんでしょ」と思われていたけど、もっとリアルとのつながりを含めてデジタル領域で提案し、伴走できることがあるのではないかと思っています。

伴走する際の泥臭さは、我々がもともと持っているケイパビリティのところかもしれないですね。

矢澤伴走するにあたって、提案書の内容はユーザビリティ評価やヒューリスティック評価観点でのwebサイトの課題だけでなく、事業課題の中のwebの与件まで範囲を広げてきました。またこれらを提供できるメンバーを増やすべく、マーケティングや事業に関する学習機会の設定やビジョン研修も行ってきました。このような取り組みにより近年ではマーケティング領域を含めた対応範囲が広がってきたと感じています。

一方でエンジニアリング領域での価値発揮という点は、まだまだ磨けると思っています。ソフトウェアのエンジニアリングについては、手前味噌ではあるものの実装での技術適応力や対応力はあると思っているんですよね。反面、工程計画や設計における中長期的な確実性については、まだまだ強化する必要がありますね。

適切なソリューションを提供したい

では未来に目を投じていきましょうか。
今後の展望や社会におけるルート・シーの価値はどのようなものか、お伺いできますか。

矢澤今、エンジニアリング部門主導で取り組んでいる個々のスキル・経験に依存しない標準化を達成することで、「企画・計画」に比較して想定以上の「実装」の再現性を上げていきたいと思っています。なぜなら実装の再現性は、アイディアの広がりや実装実現性の広がりなど、企画にも影響するからです。
実装の再現性を上げ、企画の幅を拡げることによってお客さまが想定する以上の成果物、つまりは潜在顧客の顕在課題だけでなく潜在課題を解決し、成果を出すこともできるはずだと思っています。

社会に目を転じると是正したいことはありますね。10万円の案件でも1億円の案件でも、それに相応するソリューションがありますが、予算・コスト設定踏まえてブラックボックスではない適切なソリューションを提供したいという考えがあります。それは業界全体に対してもいい影響があるはずだと考えています。

「適切なソリューション」とは具体的にはどういうものを指すのでしょうか。

矢澤提供されるソリューションが予算・コストに見合ったものであり、ブラックボックスではなく、要件定義やドキュメンテーションなどによってクリアであることが担保されているイメージです。

自分達の提供価値について加えて言うなら、作ることにコミットするのではなくユーザビリティやwebマーケティングなど総合的に適切なソリューションを提供したいですし、最終的に成果を出すところに泥臭く伴走したいなと。世の中がweb屋に持っている期待値以上の存在でありたいし、そのように取組むことで、業界のレベルを上げていくことになるのではないでしょうか。

荒木ハウスメーカーで例えると、「どこのメーカーが設計や施工した住宅か」でその品質に対する印象が違いますよね。webに関わる業界で質が軽んじられていると感じる場面もありますが、我々はそのなかでも安心なブランドでありたい。我々がけん引することで業界が標準的な品質基準に則っていくようになっていって欲しいと思っています。

矢澤あえてネットスラングで言葉にするなら「IT土方」を用意して頑張る会社にしたいわけではないんですよね。適切な対価を得て、対価に見合うものと価値を提供したい。値付けの妥当性を感じてもらえるようにしたいですね。

荒木「『頑張ってくれる』ルート・シーさん」ではなく「『〇〇をしてくれる』ルート・シーさん」と、価値を明確にしたいですね。そういう意味ではブランディングが必要だとも感じています。

矢澤さん、荒木さんありがとうございました。
対応力を足場に、エンジニアリングを踏まえたソリューション提案を実装することで、お客さまにも選ばれ、業界水準を上げていきたいですね。

未来に向けた取り組みを

今回のインタビューでは執行役員の矢澤さん、荒木さんにお話を伺いました。
おふたりへのインタビューを通して、創業以来培った対応力という基盤に加え「適切なソリューション」を実現するために、企画・提案、エンジニアリング、オペレーション、品質管理に対し全社を挙げて取り組む意志が感じられました。

日進月歩するwebに関わる業界において、堅実にケイパビリティを磨き続けるルート・シー。この環境に身を置き、ともに成長していきたいと考えてくださった方がいらっしゃいましたらぜひお声掛けください。

採用情報 | web制作会社 ルート・シー

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