プロジェクト概要
研修の実施、その後の進捗や資格の管理を担当者の手作業に頼っているーー。
医療機器メーカーでは医療従事者に製品を正しく使用してもらうための製品トレーニングが欠かせません。
今回ご相談いただいたメーカーさまでは研修の実施から受講進捗・認定情報の管理まで、多くの業務を担当者が個別に対応していました。
そこで、ルート・シーではすでに保有されていた研修動画を活かし、オンライン研修から進捗管理、研修・実地要件の紐付け、履歴の引き継ぎまでを一元化するLMS(受講管理システム)を構築しました。
課題
- 対面中心の研修で担当者の対応コストが大きい
- 履修要件と実地要件の紐付け管理が手作業
- 修了・認定状況や修了証発行の情報も担当者が個別管理
実施内容
- 既存動画を活用したラーニングシステムを構築
- 受講進捗を可視化するカリキュラム管理機能を実装
- 履修要件と実地要件を紐付ける機能を設計
- 所属変更後も研修履歴・認定情報を引き継げる機能を実装
成果
- 体系的な学習カリキュラムの展開・管理を実現
- 受講状況を一元的に可視化・管理できる体制を構築
- 手動で行っていた進捗確認・認定情報の管理をシステム化し、運用負荷を軽減
- 高価なシステムを導入せず、動画資産を活用してトレーニング体制を構築
医療機関への個別訪問と手作業での要件管理。積み重なっていた運用負担
特に複雑だったのが履修要件と実地要件の管理でした。
特定の製品を扱うには動画学習やテストの合格といった研修要件だけでなく、実際の手術への立ち会いなどの実地要件が必要な場合もあります。この二つの要件を紐付けて管理する作業も手作業で行われていました。
修了証の保有状況についても同様です。担当者が個別に把握・管理しており、運用の負担は積み重なっていました。
動画資産を活かし、履修・実地要件の紐付けと履歴の引き継ぎまで一つのシステムで完結させる
ヒアリングを重ねる中で見えてきたのは、メーカーさまがすでに製品説明用の研修動画を数多く保有しているという事実でした。
そこで、私たちが考えたのは「すでにある動画資産を活かしてシステムを作ろう。そして、履修要件と実地要件の紐付け管理もこのシステム内で完結させよう」というアプローチです。
対面研修の負担だけでなく、手作業や個別管理という課題も同時に解決することを目指しました。
POINT01:既存の動画配信サービスを活かし、新しいシステムと連携
一般的な学習管理システムを新規導入する場合、高価なライセンス費用がかかることも少なくありません。
メーカーさまが既に利用していた外部の動画配信サービスにアップロード済みの動画を新しく構築するシステムと連携し、システム上から利用できる仕組みを構築しました。
動画そのものを作り直したり、システム側に格納し直したりする必要がないため、開発コストを抑えながら、既存の動画資産を最大限に活用できる設計です。
POINT02:動画の並び順を「シナリオ」として設定し、進捗を可視化する
動画を呼び出せるだけでは、体系的なカリキュラムにはなりません。そこで、複数の動画をどの順番で受講させるかという「シナリオ」を設定できるカリキュラム管理の仕組みを構築しました。
受講者は決められた順番に沿って学習を進め、メーカー担当者は誰がどこまで進んでいるか、進捗率を一覧で可視化できます。受講状況を一覧で把握できるようになり、これまで個別に行っていた進捗確認の負担を減らせる運用になりました。
POINT03:「動画を視聴した」だけでなく、「実地要件を満たした」ことまで管理する
課題としてあがっていた「履修要件と実地要件の紐付け」もこのシステムの中に組み込みました。履修要件と実地要件を紐付け、一つの認定情報として管理できるようにしています。
また、それだけでなく、履修後の実地研修先の斡旋手続き、実施研修完了後の電子証書としての履修証明書発行までを完結できる仕組みも構築しました。
POINT04:所属先が変わっても、積み上げた研修履歴を失わない
医療従事者は、転勤や異動によって所属する医療機関が変わることがあります。所属先が変わるたびに研修履歴や認定情報が途切れてしまう懸念がありました。
そこで、過去に取得した研修履歴や認定情報を継続して保持・利用できるデータ引き継ぎの仕組みを実装しました。積み上げてきた学習の実績が、所属の変更によって失われることのない設計にしています。
既存の動画配信環境と研修コンテンツを活かし、新しいトレーニング環境を構築
これらの仕組みを組み合わせ、既存の動画資産を活かし、体系的な学習カリキュラムとして展開・管理できる体制を整えました。
受講状況を一元管理することで、手動での進捗確認や認定情報の管理にかかっていた運用負荷の軽減につながっています。
今回大切にしたのは既存の研修コンテンツを活かし、必要な管理機能だけを新たに実装するという設計です。すでにある資産を土台にトレーニング体制を構築できたことは、メーカーさまにとってコスト面でも大きなメリットとなりました。
学びと資格管理を仕組み化する発想は医療機器業界に限ったものではない
既存の動画資産を活かしながら学習カリキュラムを体系化し、進捗把握から認定情報の管理までをつなぐという考え方は、医療機器のトレーニングに限りません。
例えば、
- 製品説明会や取扱説明の動画をすでに保有している、メーカーや販売代理店
- 資格更新・技能認定の講習を継続実施している業界団体・協会
- 店舗・拠点スタッフ向けの研修動画を実地研修と組み合わせている小売・飲食・サービス業
- 社内資格制度を既存の動画コンテンツで運用している企業の人事・研修部門
こうした事業では「体系的なカリキュラム管理ができていない」「履修要件と実地要件を紐付けられない」といった課題が生まれやすくなります。
動画資産を活かしながらカリキュラム・履修履歴・認定情報のデータ引き継ぎを一つの仕組みに組み込むという設計はさまざまな業種に応用できます。
既存の資産や業務フローを理解し、必要な仕組みまで実装する
今回のプロジェクトで起点となったのはすでに保有されていた研修動画でした。
新しいシステムを一から導入するのではなく、既存のサービスやコンテンツを活かしながら足りない機能だけを設計・実装する。
ルート・シーでは既存システムや業務フローを整理し「何を残し、何を新しく作るべきか」というところからシステム開発を支援しています。
「属人化している業務をシステム化したい」
「既存のシステムやコンテンツを活かして、新しい仕組みを作りたい」
そんな課題があれば、ご相談ください。
医療機器メーカー ラーニングシステム構築
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