プロジェクト概要
欧米系旅行者に刺さるサイトになっているのだろうかーー。
独自の「マンガデザイン」で注目を集め、浅草・浜松町・京都にてインバウンド向けホテルを展開されているWHGホテルタビノス株式会社さま(以下、タビノスさま)。
ターゲットである欧米系旅行者に対して「公式サイトは信頼感や期待感を十分に醸成できているのだろうか」という懸念を抱えていました。
そこで今回はユーザビリティテストを実施し、ターゲット層のインサイトを明確化することから始めました。
調査結果をもとに全面リニューアルした結果、公式サイト経由の売上が約2.5倍と大きく飛躍しました。
課題
- 信頼感や期待感を醸成できているか不安
- 自社サイトからの予約数を伸ばしたい
実施内容
- 2度のユーザビリティテストを実施
- 公式サイトの役割を再定義
- 宿泊の不安を払拭するコンテンツの拡充
- 期待感を上げるコンテンツの制作
- ディレクターによる現地宿泊体験と取材
- 5カ国語対応のディレクション
成果
- サイト経由売上「約2.5倍」の達成
- 平均エンゲージメント率「約1.42倍」に向上
- 直接流入(Direct)売上「約6倍」へ激増
「ペルソナに響いている実感がない」担当者さまが拭えずにいた手応えのなさ
タビノスさまではターゲットペルソナを「欧米系(特に米国)の20〜30代・旅行好き」に設定していました。
しかし、担当者さまはそのペルソナに対して「公式サイトで十分な情報を届けられているのか」「信頼感や宿泊への期待感を高められているのだろうか」と確信を持てずにいました。
そこで私たちは、ターゲットのリアルな声や行動を把握することからこのプロジェクトをスタートさせました。
【制作ポイント1】ユーザビリティテストで見えた日米の「当たり前」のギャップ
今回のプロジェクトではユーザビリティテストを2回実施しました。1回目は旧サイトにおける課題抽出です。
ペルソナに合致する外国籍ユーザーにサイトを利用してもらい、実際のシーンに即した率直な意見や使い勝手をヒアリングしました。
1回目のユーザビリティテストを実施
まず、日本人だけでは気づけない文化的・感覚的なギャップが明らかになりました。
「浅草や浜松町が日本のどこにあるのかわからない」
「クリックするところが多い」
「海外のサイトはもっとミニマルでシンプル」
「『Questions』ではなく『FAQ』という表記が正しい」
など、立地やUIに対する戸惑いの声が寄せられたのです。
日本人視点のサイト設計や言語・文化的な前提の違いがユーザー体験の低下を招く要因となっていました。
さらに検証を進めると、ユーザーは基本的にOTA(オンライン旅行会社)でホテルを探し、情報が足りないと感じた時のみ公式サイトを訪れる傾向にあることが判明しました。
そのため、
「OTAには載っていない部屋の写真が見たい」
「公式サイトならではの情報があるのか知りたい」
などの明確な目的を持ってアクセスしていることがわかりました。
調査から見えてきたのは、公式サイトは「ホテルを探す場所」ではなく「予約を後押しする場所」だったという点です。
【制作ポイント2】インサイトを踏まえたコンテンツ設計と公式サイトの役割を再定義
調査結果を受け、公式サイトを「ユーザーの宿泊に対する不安を取り除き、期待値を高める場」と再定義し、コンテンツを刷新しました。
(1)宿泊の不安を解消する客室情報の拡充
部屋の広さやスペックに対する不安を払拭するため、詳細な客室写真やキャプション、平面図(間取り図)を掲載しました。
さらに、画面上で室内・館内を全方位を見渡して擬似内見できる「360°ビュー」への導線を強化しています。
ユーザビリティテストでも「OTAにはない機能で安心できる」と好評だったこのコンテンツにより、宿泊に対する心理的ハードルを大きく下げる効果を生みました。

(2)季節イベント・ローカルツアー掲載による期待感のアップ
タビノスさまは日本文化体験イベントや、アテンダー(スタッフ)が担当するローカルツアーを開催されています。それらの紹介や写真を豊富に掲載しました。
OTAには載っていない公式サイトならではの「体験価値」を提示し、宿泊への期待値を最大限に引き上げる効果をもたらしています。

(3)ユーザーに寄り添ったアクセスコンテンツの導入
海外ユーザーのリアルな視点を取り入れたコンテンツも制作しました。
ユーザビリティテストで抽出した「浅草や浜松町が日本のどこにあるのかわからない」という意見をもとに、日本地図上にホテルの位置を表現しています。
さらに、周辺環境がひと目でわかるGoogleストリートビューをアクセスページに組み込みました。これは高い建物が密集する日本の都市環境に不慣れな海外ユーザーに配慮しています。
また、主要駅や空港、周辺観光地などあらゆる場所からのアクセスを考慮したGoogleルート検索のリンクを掲載しました。
移動時の迷いやストレスを防ぐことで、見知らぬ土地での滞在に対する不安を解消し、安心して予約へと進める環境を整えました。
【制作ポイント3】ディレクターの宿泊体験と取材で掴んだ「ユーザー目線」の設計
ユーザビリティテストにとどまらず、担当ディレクターは実際に「ホテルタビノス浅草・浜松町」に宿泊しました。現地での滞在で得た気づきやアテンダーへの取材をサイト設計に落とし込むためです。
宿泊体験でわかった、アピール要素の「強弱とメリハリ」
実際にホテルへ滞在する中で、webサイト上で重点的に打ち出すべき情報の優先度を精査しました。
例えば、現地で利用者が多く好評だった「軽食サービス」や「ドリンクバー」は写真付きで魅力的に掲載しています。
また、海外ユーザーが気になる「備え付けアメニティ」や「ナイトウェアのサイズ感」も画像入りで分かりやすく紹介することで、事前の安心感を高めています。
現場の実情に合わせて届けるべき情報を最適化し、ユーザーの心に響く効果的な訴求を実現しています。
現場アテンダーへのヒアリングで掴んだ、ユーザーが必要とする情報
さらに、現場アテンダーさまへの取材を通じ、実際に発生しているトラブルやユーザーのニーズを特定しました。
「駐車場があるかと問い合わせいただくことがある」
「部屋のサイズ感が気になられる方が多い」
これらの意見についてはサイト上の目立つ位置への注意書きや海外ユーザーに伝わるインチサイズを併記するなど先回りの工夫を施しました。
同時に、販売に注力したい「お酒の物販」については画像入りでしっかりとアピールしています。
現場の声を聴くことでユーザーの不安解消とタビノスさまの魅力アピールを両立させた、実効性の高いコンテンツを形にしました。
【制作ポイント4】2回目のユーザビリティテストによるUIと言葉の磨き込み
ビジュアルデザインを終えた段階で2回目のユーザビリティテストを実施しました。リニューアル内容が最適化されているかを検証します。
海外ユーザーの「使いやすさ」を極限まで追求
今回の調査でも海外ユーザーとの感覚の差が現れました。
「『v』のアイコンはページ移動ではなくアコーディオンメニューに見える」
「総合ページと各ホテルのページの違いがパッと見てわからない」
「”Guest Room”という表現は友達の家のように感じる」
調査結果をもとにアイコンの見直しから細かな翻訳のニュアンスまで調整しました。
アイコンひとつ、単語ひとつの違和感を修正することで、迷わず直感的に操作できるサイトへと昇華させています。
【制作ポイント5】ネイティブ視点を追求した5カ国語対応
今回は日本語、英語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、韓国語の5カ国語に対応する大規模なグローバルサイト刷新になりました。
本プロジェクトにおける多言語化は単なる「言語の置き換え」にとどまりません。翻訳を担当いただいたアイ・ディー・エーさまの高度な専門性のもと、サイト全体の品質向上を追求しています。
ネイティブ視点による表現とデザインの最適化
海外ユーザー目線での使いやすさやニュアンスの最適化をはじめ、画像内テキストの扱いやフォント選定、旧サイトからの既存表記との統一を徹底しました。
例えば、コミック貸出エリアの案内表記は、直訳的な「Comics for Borrowing」ではなく、より直感的な「Comics Library」にするなど、正確性と魅力を兼ね備えたローカライズを行っています。
実装工程における徹底した品質検証
多言語サイトの構築では、テキストの翻訳だけでなく「システム反映後の見え方」も極めて重要です。海外の閲覧環境からの表示確認はもちろん、デザインや画像の微細な差異に至るまで網羅的に精査しました。
プロの知見に基づく細やかな品質管理と強固なパートナーシップにより、5カ国語の高品質な同時公開を実現しています。
サイト経由売上が約2.5倍!ユーザー理解から生まれた圧倒的なビジネス成果
これらのUX改善は、公開後すぐに劇的な数値変化となって現れました。
・サイト経由売上(前年同期比):約2.5倍に拡大
・セッションあたりの平均エンゲージメント時間:約1.42倍に向上
・直接流入(Direct)経由の売上:前年同期比で約6倍に激増
・自然ソーシャル(Organic Social)イベント数:約3.7倍に増加
・主要下層ページ(浅草客室ページ)のパフォーマンス:閲覧数・アクティブユーザー数・イベント数が5倍以上に増加
ターゲットのニーズに沿ったコンテンツを制作することで回遊率を引き上げています。
さらに予約までの導線を整え、サイト経由売上を約2.5倍に増加させるという圧倒的な成果につながりました。
※対象ページ:ホテルタビノス 公式英語サイト(/en/ 以下)
※対象期間:リニューアル公開後8週間(2025年12月22日〜2026年2月15日)
※比較対象:
・前年同期間(2024/12/22〜2025/2/15):サイト経由売上、直接流入(Direct)経由売上など
・公開前同期間(2025/10/20〜12/14):平均エンゲージメント時間、自然ソーシャルイベント数など
【まとめ】「なぜ予約されないのか」の答えはユーザーの中にある
今回のプロジェクトではユーザビリティテストにより「ユーザーニーズ」と「行動」を徹底的に深掘りしました。
そこで見えてきたのは、私たち日本人には気づきにくい「当たり前」の文化的なギャップでした。
「何が不安で、何が決め手になるのか」
「なぜ、ここで離脱してしまうのか」
その答えはユーザーのリアルな行動と声の中に隠されています。
私たちが目指すのは、単に見た目を綺麗にするだけのサイト制作ではありません。
ユーザーの声に耳を傾け、課題の根っこから解決を目指し、事業の成長をともに加速させ、成果へとつなげる。そんな『ビジネスの伴走者』でありたいと考えています。
まずは貴社が抱える現状や目指すゴールについて、ぜひ一度お聞かせください。
ルート・シーが貴社の成長に泥臭く伴走いたします。
お客様の声
< サイト完成後の社内の皆さまからの反応 >
社内ではこのような反応があり、大変好評でした。
「設備やサービスの紹介は写真と説明が充実しており、事前に滞在のイメージがつきやすくなりました。客室の雰囲気が伝わり、検討しやすくなったと感じています。」
「ナビゲーションが分かりやすくなり、目的の情報にスムーズにたどり着けます。結果としてページを行き来することが増え、回遊性が向上しました。」
「また、宿泊予約への導線が改善され、予約ページへ迷わずアクセスできるようになりました。手続きも分かりやすく、利用しやすさが向上しています。」
< ルート・シーの印象、今後のご要望 >
このたびは、ホテルタビノスのサイトリニューアルにご尽力いただき、誠にありがとうございました。皆さまの丁寧な設計と実行力に深く感謝しています。
当ホテルは従来、施設というハード面の魅力を前面に出すプロダクトアウト型の発想が中心でしたが、今回のプロジェクトを通してユーザビリティテストを実施したことで、顧客のインサイトやニーズをより正確に把握でき、マーケットインの視点を取り入れたホームページに刷新できたことを大変心強く感じています。
また、アイ・ディー・エー様との連携によるローカライゼーションが非常にうまく機能し、その結果としてサイトの回遊性が大幅に向上し、平均エンゲージメント時間の伸長という成果にもつながりました。
多言語対応の質が高まったことで、より多様なお客様にとって使いやすいサイトになったと確信しています。
今後も良きパートナーとしてともに歩み、さらに魅力的で使いやすいサービスを築いていければ幸いです。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
WHGホテルタビノス株式会社 公式サイトリニューアル
| URL |
https://hoteltavinos.com/asakusa/ |
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| 公開日 | 2025年12月 |
| 対応内容 |
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| スタッフ |
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