RFP(提案依頼書)とは?失敗しないwebサイト制作の依頼方法

こんにちは。ルート・シー営業の吉澤です。

ホームページをリニューアルしたいけど、どう進めていいかわからない、何社か見積をとったけど出てきた仕様がバラバラで判断ができない。初めてリニューアルを任されたweb担当者さまは最初にこのような壁にぶつかります。

単に「ホームページが古くなってきたからリニューアルしたい」、「問い合わせが少ないからリニューアルしたい」とweb制作会社に依頼をしても的はずれな提案が出てくるケースもあります。これはリニューアルの目的ややりたいことがしっかりと制作会社に伝わっていないために発生します。
しっかりとリニューアルの目的を伝えて、満足度の高い提案を受けるためにはRFP(提案依頼書)の作成が重要になります。

RFPとは

RFPとはRequest For Proposalの略で、日本語にすると提案依頼書となります。RFPはwebサイトやシステム開発に使われる重要なドキュメントです。

RFPがなくても制作の依頼をすることは可能ですが、依頼したい内容がまとまっておらず、各社の見積条件がバラバラになり、判断が難しくなります。

制作会社もRFPがないと、お客さまにヒアリングをして与件(依頼内容)を整理することになります。そのため、打合せの場での思いつきなども与件に含めてしまう場合があり、提案や見積書が出てきても求めていることと違うということにもなりかねません。
RFPは、よりよい提案を受けるために大切な文書となります。

RFPがないとどうなるのか

RFPがないとどのようなことになるのでしょうか。
大きくは下記4つが挙げられます。

1.社内の合意に時間がかかる…合意が得られない…

プロジェクトの目的や要件などを社内で認識を合わせることが困難となり、経営層からの合意を得ることに時間がかかります。またプロジェクト進行後も社内で認識に祖語がある際は、トラブルのもととなる場合もあります。

2.制作会社からの提案が的を得ていない…

要件が整理されていないと、制作会社に要件を明確に伝えられず、提案内容が期待外れとなる恐れがあります。また見積りの精度が低くなることで、無駄に高くなってしまう可能性があります。

3.各社の提案内容がバラバラ…

提案内容と見積りの精度が低い為、複数社のコンペ時に各社の提案基準にバラつきが発生し、評価が難しくなります。その為選定に時間がかかり、プロジェクト進行の遅れの原因となります。

4.制作が始まってから「言った言わない」が発生する…

プロジェクトの詳細な要件は要件定義にて決定していきますが、RFP がないと要件の認識に相違が生まれ、見積りの内容が大幅に変更になってしまう場合もあります。その為、プロジェクトが進行してから想定していた費用を大幅に超え、社内稟議の再調整やプロジェクト進行の遅れの原因となってしまうという可能性もあります。

このように、RFPを準備しないことにより無駄な時間やコストが掛かってしまいます。質の高い提案、遅れのない制作進行のためにもまずは提案を依頼したい内容をRFPに落とし込むことが大切です。

RFPの書き方

それでは、RFPには具体的にどのようなことを記載すればよいでしょうか。
RFPに必要な項目は主に下記になります。

リニューアルに至った経緯

プロジェクトが立ち上がった経緯や経営的背景などを記載します。経緯や背景を理解することで、質の高い提案に繋がります。

現在抱えている課題

現在抱えている、またはリニューアルすることで解決したいことを記載します。この項目が提案のコンセプトになります。

達成すべきゴール

サイトをリニューアルすることにより、何を達成したかを明記します。この項目によりページの構成やナビゲーションの配置などに影響があります。問い合わせを増やすことの優先順位が高い場合、問い合わせボタンを追従させたり、目立つところに配置をします。ブログサイトのようにPV数を増やしたい場合は他のページへの動線配置を意識して制作をします。

ターゲットとサイトの役割

対象サイトの利用者情報、問い合わせ獲得や採用への応募などサイトが果たす役割を記載します。利用者情報については細かいほどよいです。

ベンチマークするサイト

参考サイト、競合サイトなどを記載します。明記することにより競合他社との差別化が図れます。参考サイトについては必ずしも同業他社でなくても構いません。デザインのイメージや検索軸のイメージが付きやすいなどで異業種でも参考サイトとして記載することもあります。

リニューアル要件

リニューアルに当たり、現サイトの課題やリニューアル後に解決したいこと、また新サイトに求める要件を記載します。

CMS・サーバ要件

指定のCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)、一定のサーバ条件がある場合は記載をします。サーバ要件や導入したいCMSにより提案の幅に影響があるため、しっかりとRFPに記載をします。

また、上記に加えて制作予算やサイト公開希望日なども記載することにより、的はずれな提案を減らすことが可能です。

RFPの書き方の事例

リニューアルに至った経緯

前回制作時より5年が経過し、デザインが古くなってきている。またPCサイトとスマホサイトがそれぞれ独立しているため、更新・修正作業など運用面でも効率が悪い。現状のトレンドに合わせたデザインの一新とレスポンシブでの構築にリニューアルしたい

現在抱えている課題

  • ニューストピックのカテゴリが多数混在し、非常にわかりづらい
  • 問い合わせフォームへの誘導が弱い
  • 階層が深いページが存在。ページの統廃合など再整理が必要

ターゲットとサイトの役割

  • 20代の女性がメインユーザー。知りたい情報に迷わずたどり着けるサイト
  • 商品の購入後の疑問なども解消できるサイト(再訪目的)
  • 企業にとっても必要な情報をわかりやすく伝わるサイト

ベンチマークするサイト

デザインのイメージが近い
(サイト名 https://www.aaaa.co.jp/)

商品情報がわかりやすい

(サイト名 https://www.bbbb.co.jp/)

スマートフォンでも見やすい

(サイト名 http://www.cccc.co.jp/)

商品検索がわかりやすく使いやすい

(サイト名 https://www.dddd.co.jp/)

CMS・サーバ要件

システム要件

  • 商品情報にて商品検索ができるようにする。
  • お問い合わせ管理をシステム化する。(リード管理ができるようにする)

CMS 要件

  • 「ニュース」「商品情報」はCMS導入の上、社内で更新していく。
  • セキュリティ面を考慮し、オープンソースは使用しない。
  • 承認フローは入力者、承認者の2段階とする。

サーバ要件

  • 既存サーバは使用せず、新規契約をする。
  • 外部からの不正アクセスやデータの改ざん等が容易にできないサーバおよびプランを選定する 。

最後に

RFP はプロジェクトが大きくなるにつれて内容も増え複雑になってきます。ただし、完璧な内容を記載することは難易度がかなり高いため、まずは依頼したい目的・背景をしっかりと伝えられる程度にまとめていきましょう。
もちろん直接ルート・シーにご相談いただけましたら、RFP の作成から課題の発見までお手伝いいたします!

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