入力項目が多い会員登録フォーム、離脱を防ぐには?ユーザビリティテストで分かった設計のポイント

「会員登録フォームの離脱を減らしたい」
「入力項目を減らせないなら、1画面にまとめた方がスクロールだけで済んで楽なはず」

会員登録フォームの改善で、このように考えたことはありませんか?

例えば、転職サイトの登録のように、氏名・連絡先に加えて学歴や職歴、希望条件まで入力が必要なフォームでは、いかにユーザーの負担を減らすかが大きな課題です。

「1画面にまとめる」という一見合理的な施策が、実は裏目に出ているケースがあります。
ユーザーが負担に感じているのは、項目の「数」そのものだけではないからです。

「これ全部入力するの?」「あとどれくらい続くの?」という不安が、フォームから離脱するきっかけになっていました。

今回はルート・シーが実施したユーザビリティテストをもとに、会員登録フォームの離脱を防ぐために押さえておきたい設計ポイントをご紹介します!

1.会員登録フォームの負担は「情報量」と「終わりの見えなさ」で決まる

フォームの離脱要因は入力項目の数や画面数だけではありません。
ユーザーがフォーム入力時に感じる負担には大きく2つの要素があります。

  • 一度に処理しなければならない情報量の多さ
  • 登録完了までの見通しが持てないこと

「一度に処理する情報量の多さ」がユーザーの負担になる

縦に長い会員登録フォームを開いたとき、最初に目に入る大量の入力項目。
これに対してユーザーはどう感じるでしょうか?

ここでポイントになるのが、認知負荷です。認知負荷とは情報を理解したり、判断したりするときにユーザーの脳にかかる負担のことです。

フォームでは入力そのものだけでなく「何を入力するのか」「どれくらい続くのか」といった情報を把握することもユーザーの負担になります。
そのため、画面遷移を減らすためにフォームを1画面へ集約すると、かえって入力前から「大変そう」という印象を与えてしまうことがあります。

「あとどれくらい?」が分からないフォームは離脱への不安を生む

では逆に、入力フォームが複数ページにわたる場合はどうでしょうか?
個人情報、学歴、就業経験・・・・と続くページたち。
「まだあるのか」「あと何ページ入力すれば終わるの?」という不安が生まれます。

私たちが実施したユーザビリティテストでも、こうした「終わりが見えないこと」がユーザーの心理的負担につながることが分かりました。

フォーム改善では、この2つの要素をユーザーに感じさせない設計がきわめて重要になります。

2.ユーザビリティテストで分かった、フォーム改善で成果につなげる5つの設計ルール

では、具体的にどのような設計がユーザーの不安を解消し、成果につながるのでしょうか。私たちが支援した転職サイトの事例を交えて解説します。

当該サイトでは、元々1画面にすべての入力項目が集約されていました。リニューアルでは入力内容をテーマごとに分け、ステップ形式のデザインへ変更しています。

ここで大切なのは、単純に画面数を増やしたことではありません。
ユーザーが一度に処理する情報量と、登録完了までの心理的な距離をコントロールしたことです。

ここからはリニューアル時に実施したユーザビリティテストの観察結果から見えてきた、5つの設計ルールとその効果をご紹介します。

01 | 1画面1テーマで整理し、認知負荷を下げる

ユーザビリティテストでは、画面に大量の入力欄が並んでいると、ユーザーが「思ったより入力することが多い…」と心理的拒絶を起こす様子が観察されました。

そこで、

  • アカウント登録:氏名・カナ・メールアドレス
  • 会員情報:生年月日・性別・電話番号・現住所
  • 最終学歴:学校区分・学校名・卒業年
  • 就業経験:就業状況・社会人経験年数

というように、ユーザーが考えやすい1画面1テーマで画面を分割します。すると、ユーザーは「今、この画面で何を入力すればいいのか」が理解しやすなります。

1画面あたりの情報量を絞ることで、「今この画面で何をすればいいのか」が即座に理解できるようになり、入力へスムーズに入ることができます

02 | ステップバーで「現在地」を見せ、先の見えない不安を消す

画面を分ける施策で最も注意すべきなのが「いつ終わるか分からない問題」です。
実際のユーザー行動を観察すると、次画面に移った際に入力欄が急増すると「まだ続くのか」と一気にストレスが高まるケースが確認されました。
これを防ぐには、ステップ形式のフォームでは現在地を示す「ステップバー」の表示も有効です。

例えば、
アカウント登録 > 会員情報 > 最終学歴 > 就業経験 > 完了
というように、登録までの流れを表示します。

これならユーザーは「今はここまで進んだ」「あとこれだけ入力すれば終わる」と把握でき、安心して入力を進められます。

03 | ユーザーの目的に合わせて入力の順番を設計する

フォームでは何を入力してもらうかだけでなく、「どの順番で入力してもらうか」も重要です。
例えば転職サイトなら、ユーザーには「登録したら早く求人を見たい」「自分に合ったスカウトを受けたい」といった目的があります。

その場合、ユーザーのメリットにつながりやすい「希望条件」などを前半に配置することも有効です。

また、すぐに入力する必要がない項目については、後から入力できるようにする方法もあります。
企業が集めたい情報の順番ではなく、ユーザーが進みやすい順番を考える。これもフォーム改善の重要な視点です。

04 | 入力するメリットの提示やスキップ機能で、思考を要する項目のハードルを下げる

「自己PR」や「詳細な業務スキル」のように、自分で文章を考える必要がある項目は入力のハードルが高くなります。ユーザビリティテストでは「情報を入れるメリットを入力のタイミングで教えてくれたら登録する」というリアルな声が挙がりました。

例えば、これらのような明確な理由を記載することが有効になります。

  • 希望条件:「入力すると、条件に合った求人を探しやすくなります」
  • 職歴・業務スキル:「入力すると、あなたの経験を活かせる求人やスカウトにつながりやすくなります」
  • 自己PR:「入力すると、企業にあなたの強みを伝えやすくなります」

また、初回登録時には必須とせず「今はスキップして後からマイページで登録できます」という逃げ道を作ることで、途中で登録を断念されるリスクを大幅に減らせます。

05 | スマホ特有の操作ストレスを徹底的に排除する

ステップ分割によって画面がシンプルになっても、スマートフォンでの操作にストレスがあれば、フォーム改善の効果を十分に発揮できません。
ユーザビリティテストの観察でも、細かな操作の引っかかりが離脱の引き金になっていました。

「ユーザーが次にする操作」を先回りして減らすことが重要です。具体的には、以下のような細かな配慮が成果を大きく左右します。

  • 入力内容に応じたキーボードの表示:電話番号や郵便番号の入力欄をタップした際は数字入力に適したキーボードを、メールアドレスでは「@」などを入力しやすいキーボードを自動的に表示。
  • 郵便番号からの住所自動入力:郵便番号を入力すると、都道府県や市区町村まで自動入力される。
  • わかりやすく適切なエラー表示:入力内容が確定したタイミングなどで判定を行い「どこをどう直せばよいか」がユーザーに明確に伝わるようにエラーを表示。
  • 視認性と操作性の確保:ボタンや入力欄は指で押しやすい十分なサイズに設定。また、スマートフォンの画面半分がキーボードで埋まっても、入力中の項目や「次へ」などの次の操作が隠れないレイアウトを設計。

ぜひこれらを参考に、ご自身のフォームでも改善できるポイントがないか、実際のスマートフォン端末でチェックしてみてください。

3.EFOとは? 入力フォームの離脱を防ぎ、CVRを高める改善手法

ここで改めて、EFOとは、Entry Form Optimization(エントリーフォーム最適化)の略称です。
お問い合わせ、資料請求、会員登録、商品購入などのweb入力フォームを使いやすく改善し、入力途中の離脱を防ぎながらコンバージョン率(CVR)を高めるための施策を指します。

EFOというと

  • 入力項目を減らす
  • エラーメッセージを分かりやすくする
  • 郵便番号から住所を自動入力する
  • 入力欄を分かりやすくする

といった改善を思い浮かべるかもしれません。もちろん、こうした改善も大切です。
ただ、今回のユーザビリティテストから見えてきたように、フォームの課題は入力欄の使いやすさだけではありません

EFOは入力欄だけでなく、フォーム全体のUXを改善する

ユーザーがフォームから離脱する理由は「入力が面倒だから」だけではありません。
「あとどれくらい続くのか分からない」「入力するメリットを感じられない」といった心理的な負担も関係しています。
だからこそ、EFOでは入力欄のUIだけを見るのではなく、ユーザーがフォームを開いてから、登録を完了するまでに何を感じ、どこで迷うのかまで考えることが重要です。

4.フォーム改善は「項目を減らす」より、ユーザーの負担を減らすことが重要

フォーム改善にとって大切なのは「ユーザーが迷わず目的を達成できるか」ということです。
そのためにはアクセス解析だけでなく、ユーザビリティテストなどを通して実際のユーザー行動を観察することも有効です。

ルート・シーでは、ユーザーの行動や心理を調査し、そこで見つかった課題をUI・UXの改善や実装につなげています。

「フォームへの流入はあるのに、問い合わせや会員登録につながらない」
「フォームのどこを改善すればいいのか分からない」

お悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください!

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